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基準とした税源配分原則が第二次大戦後に支配的となっていく。
5.税収配分原則
税源配分原則は中央政府と地方政府という垂直的政府間問題で、どのように租税を配分するかという原則である。ところが、地方税では水平的な政府間関係として、地方政府間で個別の租税の税収をどのように配分するかという問題も生ずる。例えば所得税では所得が発生する源泉地と、所得の帰属者が居住する居住地とで、どちらに課税権が存在するかという問題が生ずる。
しかし、政府機能基準で税源配分が行われている以上、こうした問題は生じにくい。政府機能基準にもとづくと、地方税には公共サービスの利益に対応した利益原則の租税が配分されているからである。
甲という地方と、乙という地方で事業を営んでいる者が、丙という地方に居住しているとする。所得税が能力原則にもとづいて課税されるとすると、この事業者の所得は甲で発生した所得と、乙で発生した所得を合算して、人税として累進税率で課税される。しかし、そうした能力原則にもとづく租税は、国税として設定され、地方税として課税されることはない。
地方税は利益原則で課税されるため、この事業者は甲で受益した公共サービスに対応する利益を甲で、乙で受益した公共サービスに対応する租税を乙で、丙で受益した公共サービスに対応する利益を丙で納税することになる。つまり、甲や乙で発生する所得には物税が、丙では分配所得への人税が課税される。物税は定義上、源泉地基準で課税されるし、人税は居住地基準で課税されるため、それぞれの税収は公共サービスの受益地の収入となる。もちろん、この地方税としての人税は、利益原則で課税されるため、定額税か比例税となる。
間接消費税でも税収を地方政府間で、どのように配分するかという税収配分原則が問題になることはない。間接消費税は地方税では取引の保護という公共サービスの対価として課税される。国税であれば、国境が存在するため、消費者の所在国の収入とするか否かで、原産地基準をとるか仕向地基準をとるかが問題となる。
しかし、それは国境が存在し、消費者が取引を行う国と、消費者が所在する国が一致するから意味がある。仕向地基準にしろ原産地基準にしろ、取引の売り手が納税する。ところが、仕向地基準をとると、取引の売り手と買い手との間に国境が介在した場合には、売り手は納税しないことになる。つまり、売り手と買い手が別の国にいた場合には、売り手には課税されない。
しかし、地方税の場合には仕向地基準で課税することは不可能である。間接消費税では消費者を納税者とすることはない。それ故に直接消費税ではなく、間接消費税なのである。つまり、仕向地基準を採用したとしても、買い手である消費者を納税者とすることはできないのである。
ところが、地方政府はオープン・システムの政府である。消費者は自分の居住する地方以外でも、自由な取引をする。したがって、仕向地基準を採用したとしても、消費者が所在する地方は税収を帰属させることができない。消費者が取引をした売り手の地方の税収にするしかない。それは、取引の売り手の所在地の税収とする居住地基準と同じ結果となる。つまり、地方税として間接消費税を設定すれば、居住地基準しか採用できないのである。
こうして税源配分原則として地方税には利益原則にもとづく租税という基準を採用すると、税収配分原則でも地方政府間の公平が達成されることになる。
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